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プロ・オーディオと一般向けのピュア・オーディオの違い
  - オーディオ・システム入門編 (3)
  - オンキョー/ケンウッド/JVC/ボーズ/ソニー | GEAR & BUSINESS #003
2021/06/21 #003

プロ・オーディオと一般向けのピュア・オーディオの違い
- オーディオ・システム入門編 (3)
- オンキョー/ケンウッド/JVC/ボーズ/ソニー

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BigBrother
プランナー / エディター / イヴェント・オーガナイザー

目次


1.プロローグ

「オススメのオーディオ・シリーズ」では、小学生の頃から、自宅にオーディオルームがあった程のピュア・オーディオのファンであった知識とスタジオやライブ現場で培ってきたプロ・オーディオのノウハウを私、BB(BigBrother)がオススメのオーディオについてシリーズでお届けします。

20年ほど前(20世紀のこと)までは、プロのためのプロ・オーディオと素人(一般コンシューマー向け)のためのピュア・オーディオは、全くの別々の世界でした。

90年頃のバブル期には、ピュア・オーディオの大ブームがあり、若者たちはこぞって高額な“ステレオ"(当時は、こう言っていました)を買い漁りました。

6畳の小さな和室にレコード・プレイヤー(ターンテーブル)と大型のスピーカーを無理やり押し込み、高出力のアンプのヴォリュームを上げずに聴いていたものでした。

ドライブのためのカー・オーディオのために、FMの音源をエアチェックして、カセットテープにリミックスをし、友人や恋人にプレゼントしたものです。

90年代にCD、MD(今では全く目にしなくなりました)の時代に入ると、むしろ“オーデイオ・ブーム"は、収束していきます。

00年代に入ると、インターネットが普及していくとともに日本の“ピュア・オーディオ・メイカー"は、続々と倒産や合併、買収に合います。

10年代に入り、ピュア・オーディオ・メイカーは、こぞって“ハイレゾ"というコンセプトを打ち出し、それに関連する新商品を次々とリリースしていますが、“ハイレゾ"は、一部のオーディオ・ファンにしか届いていないのが現状です。

一方、プロ・オーディオの世界では、この30年位、全く変化していない部分と全く異なってしまった部分があります。

ほとんど変化しないのが、音を加工する部分です。いわゆる“アウトボード"の“プロセッサー"です。具体的には、“イコライザー"、“コンプレッサー"、“プリアンプ"などのことで、最新の製品よりも30年以上も前の“ヴィンテイジ"の機材を好むサウンド・エンジニアも数多く存在しています。

一方、この20年で全く変化したのが、“DTM"と“レコーディング"の部分です。
ICTの急速な発展により、“プリプロ"(仮の制作)のための“DTM"がとても高機能かつ低価格で提供されるようになり、音楽の制作プロセスが大きく変化しました。

多くのミュージシャンは、今や自宅の“DTM"でほぼ95%位まで完成した音源を制作します。

売れているミュージシャンは、オーケストラを生録で入れることもありますが、多くのミュージシャンは、オーケストラもDTMで行うことも多くなりました。その結果、スタジオでは、ヴォーカル(歌入れ)だけを行ったり、トラックダウン、マスタリングといったポスト・プロだけを行うようになりました。

そのため、多くの有名なレコード会社のスタジオが次々と閉鎖されています。

因みにミキサーに関しては、デジタル派とアナログ派に分かれています。


2.ピュア・オーディオとプロ・オーディオ

ICTの発展によりネットでプロ・オーディオの情報も入手しやすくなり、オンラインショップでも機材が簡単に購入できるようになりました。その結果、プロ・オーディオとピュア・オーディオの垣根が低くなってきました。

これは、全体としてはとても良い傾向なのですが、かえって接続(ピンなのかキャノンなのか問題)などの複雑さが増してきてしまいました。

ピュア・オーディオでは、RCA(ピン)接続が主流で、プロ・オーディオではXLR(キャノン)接続が主流です。この違いを理解すれば、2つのオーディオの世界をうまく統合できるはずです。

“オススメ"のオーディオのこのシリーズでは、ピュア・オーディオの“音質の良さ"とプロ・オーディオの“音質の正確さ"いうメリットを組み合わせ、使いやすく、かつ音質の良いオーディオ・システムを紹介したいと思っています。

まずは、オーディオ入門用として、一般には“コンポ"(コンポーネット)と呼ばれるプレイヤーとアンプとスピーカーがセットになった商品をオススメします。

5万円以下のコンポ

5万円以上のコンポ


3.コンポとヘッドフォンを使い分ける

こういった“コンポ"は、音質のバランスも良く、接続もわかりやすいのですが、“オーディオ"というジャンルの趣味を楽しむには、物足りないと思います。
ここで、力説したいのが、“イヤフォン”と“ヘッドフォン”で音楽を“聴く”ことの弊害です。今や、若者のほとんどはスマホにダウンロードしたMP3の音源をスマホ付属の“イヤフォン”で“聞いて”いるのではないでしょうか。

こうしたリスニング・スタイルは、音楽の楽しさ、素晴らしさを理解するための邪魔になっていると考えます。

“イヤフォン”や“ヘッドフォン”は、あくまでも補助的なもしくは、専門的な道具であって、音楽はやはり生音もしくはスピーカーから“聴くこと”が基本なのです。

音は、耳からだけではなく体全体で感じるものなので、耳の中だけの音というのは、とても歪んだ感覚になってしまうと思います。

電車やバス、飛行機での移動時や狭いアパートなどで音楽を聴くには、良質な“ヘッドフォン”を使用するべきでしょう。(注:自転車の利用時にはヘッドフォン、イヤフォンを使用しないでください。)

また、MP3についてもMP3はとても音が薄く、音楽を聴くためのフォーマットとはとても思えません。(会話を録音したりするには、適しているが)

ですので、オーディオや音楽に興味のある方には、自宅では、まず“コンポ”、移動時には、“ヘッドフォン”を使用することをオススメしたいのです。

音源については、MP3ではなくCDやCDレベル(16bit / 44.1KHZ)のクオリティーのデータをポータブルオーディオプレイヤーに入れて使用するようにしてください。

オススメのヘッド・フォン

SONY MDR-CD900STは、通称“レッド・ライン"と呼ばれており、日本のレコーディング・スタジオの標準機です。中音域が美しいヴォーカルがよく聞こえます。

SONY MDR-7506は、通称“ブルー・ライン"と呼ばれ、欧米のレコーディングでよく使われています。低音がしっかりしており、ロックやダンスミュージックに適しています。

SONY MDR-M1STは、2019年8月23日に発売されるソニーの新世代スタジオ・モニター・ヘッドフォンです。ハイレゾの音域を正確に再現する作りになっており、機能性と耐久性もプロフェッショナル向けの品質となっています。


4.エピローグ

「オススメのオーディオ・シリーズ」の第1回では、バブル期以降のプロ・オーディオと一般人向けのピュア・オーディオの変化、DTMとレコーディングの進化を振り返り、オススメのコンポとヘッドフォンを紹介しました。次回では、私、BigBrotherが音楽を聴くためのオススメのポータブル機材とCDプレイヤー、そしてMacを中心としたオーディオ・システムについて紹介します。


GEAR & BUSINESS #003

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