1.プロローグ
東京の魅力の一つは、世界中の文化・芸術・スポーツに簡単に触れることができることです。
アメリカという国には、世界中の情報が集まっているように日本人は、考えているようですが、それは、大きな間違いです。アメリカ人は、アメリカ文化にしか、興味がないのです。
アメリカ人は、アメリカの映画しか見ないし、アメリカの音楽しか聴きません。スポーツについても、アメフト(NFL)、野球(MLB)、バスケット(NBA)については関心があっても、オリンピックやサッカーには全く興味がありません(自国の活躍以外は)。
エンターテインメントにについても、国内の話題がほとんどです。(それは、日本も同じかもしれませんが。)
ごく一部のインテリ層だけが、美術とかクラッシク音楽に興味があるだけで、多くの大衆は、“セレブ"のゴシップにしか興味がありません。
しかし、東京では、アメリカ文化、ヨーロッパ文化、アジア文化、そして日本の文化をとても簡単に体験することができます(多くの場合、日本人向けにアレンジしたものではありますが)。美術館やギャラリーがとても充実していて、どこもとても盛況です。
高尚な芸術だけではなく、食べ物についても同様です。これほど、世界中の料理を食べられる場所は、他にはありません。しかも安くて美味しくて。
東京の美術館のキュレーションのクオリティもここ数年で、とてもレベルアップし、斬新かつ個性的な展覧会、企画展がとても多く開催されています。
2.国立新美術館
東京ミッドタウン近くにある日本最大級の面積を誇る美術館です。黒川紀章によって設計された建物の外壁は、その波打つ形から「ガラスのカーテンウォール」とも呼ばれているそうです。
英語名は「The National Art Center, Tokyo」ですが、通常「美術館」はmuseumと翻訳されるのに対してart centerとしているのは、日本の国立美術館の中で唯一コレクション(収蔵品)や常設展を持たないからだそうです。
西洋と日本の近現代美術を中心に常に複数の展覧会が開催されていて、一部の展示は入場無料で観れることもあるので気軽に立ち寄ることもできます。レストランやカフェスペースも素敵で、デートスポットとしても大変人気です。
閲覧無料の「アートライブラリー」には、国内外の美術館や博物館から展覧会カタログがあるので、アートに興味のある人にとってはかけがえのないリソースです。
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国立新美術館
3.サントリー美術館
東京ミッドタウンのガレリア3Fにある私立美術館です。和でありながらモダンな建築設計は隈研吾氏が手がけたもので、「サントリー」なだけに館内の床材にはウイスキーの樽材を再生利用しているところもあるそうです。
「生活の中の美」を基本コンセプトに、日本の古美術を中心に企画展を開催しており、国宝1件、重要文化財15件を含む、絵画、陶磁、漆工、染織や東西のガラス工芸品などの名品を所蔵しています。
ショップとカフェもありますが、抹茶や和菓子がいただける茶室「玄鳥庵」も併設されています。ただ、営業時間は展示会開催中の指定の木曜日で、人数制限もありますので、ご注意ください。予約制ではなく、当日10:00から受付にて券を販売しています。
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サントリー美術館
4.森美術館
六本木ヒルズの53Fにある森美術館では常設展がなく、現代美術を中心に絵画や写真、ファッションや建築など、様々な現代美術家の展覧会が開催されています。
2017年前半に開催された「N・S・ハルシャ展:チャーミングな旅」の展覧会では、自由に写真撮影をすることを許可するだけでなく、海外でも話題になった、閉館後の美術館内の様子をSNSで投稿する #emptyというインスタグラムの取り組みも初めて日本で試みたことが注目されました。
入場料には、屋上の展望デッキ「東京シティビュー」へのアクセスも含まれていますので、美術館は雨の日に訪れたくなるものですが、森美術館は晴れの日がおすすめです。
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森美術館
5.根津美術館
青山界隈でお買い物する合間に一息つきたい時に訪れたい「都会のオアシス」と呼ばれる美術館です。
日本だけでなく中国や韓国の古美術品が7,400件以上収蔵されていて、多くの国宝や重要文化財の中には仏教美術も多く含まれています。企画展とテーマ展覧会を通して様々な切り口からその収蔵品を中心に見ることができます。床面積はそれほど広くないものの、とても見応えがあります。
一番の目玉は、海外旅行者もわざわざ訪れたくなる17,000平方メートルの日本庭園なのではないでしょうか。散策し心が落ち着いた後、4方のうち3方がガラス張りの「NEZUCAFÉ」でお茶するのがおすすめです(庭園もカフェレストランも来館客のみ入れます)。
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根津美術館
6.岡本太郎記念館
根津美術館から歩いてすぐの骨董通り沿いにある、芸術家の岡本太郎が自宅兼アトリエと使っていた住宅を改修して作られた美術館です。本人が作ったオブジェだけでなく、使っていた道具まで展示されています。
ちなみに岡本太郎記念館と根津美術館の間、骨董通り寄りのところにブルーノート東京もあるため、買い物とアートを楽しんだ最後には、ジャズも堪能することができます。大人の休日というのは、まさにこういうことを言うのではないでしょうか。
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岡本太郎記念館
7.東京都写真美術館
恵比寿ガーデンプレイス内にある、国内外の写真・映像作品を約3万4千点収蔵する公立美術館です。4階建ての施設には写真・映像の企画を行う3つの展示室や貴重な写真集から最新の写真集を無料閲覧できる専門図書室があります。
ちなみに、2016年にリニューアル・オープンをした際、「写真と映像=光の芸術」という意味から英語館名をTokyo Photographic Art Museum 変更し、頭文字の一部から愛称を「トップ・ミュージアム」としている。
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東京都写真美術館
8.東京都庭園美術館
旧皇族の朝香宮家がかつて邸宅として使っていたアール・デコ様式の館は、建物自体が芸術品になっています(実際に国の重要文化財に指定されています)。アール・デコとは、1925年のパリ万国装飾美術博覧会を機に発展した装飾のスタイルで、くっきりした直線、流線型なデザインや幾何学パターンが特徴です。
目玉のひとつは本館を囲む、芝庭と日本庭園と2018年に入ってリニューアルが完了した西洋庭園です。名前からして「園芸」にまつわる美術館だと思いそうですが、本館にて開催される企画展は近代美術、ファッション、デザインなど様々です。
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東京都庭園美術館
9.日本民藝館
東京大学駒場キャンパスの近くの静かな住宅街に佇む日本民藝館は、無名の職人による工芸品の美を発掘した「民芸運動」の主唱者として知られる柳宗悦が創設した美術館です。
陶磁器、織物、木工品など、「民芸運動」の作家の作品も含め多くの工芸品が収蔵・展示されています。
最寄駅は京王井の頭線の駒場東大前駅で、少し歩いた住宅街にあるにも関わらず、週末になると混むことがありますが、1時間くらいかけてのんびり館内を楽しむことができます。国の有形文化財に登録されている本館に入る際には靴を脱ぐ必要があります。
徒歩10分くらいのところにカフェの「The Coffeeshop Roast Works」、徒歩7分くらいのところに「おかめ」というおでん屋もおすすめです。
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日本民藝館
10.Bunkamura ザ・ミュージアム (長期休館中)
※Bunkamura ザ・ミュージアムは現在工事に伴い、長期休館中です。
渋谷駅ハチ公から「SHIBUYA 109」の右側にある文化村通りを進んだ先にあるのが東急百貨店本店とすぐ隣の複合文化施設「Bunkamura」です。
美術館「ザ・ミュージアム」では、近代美術を中心に日本と海外の巨匠などを様々な切り口から毎年4~6回の展覧会を開催しています。
「ザ・ミュージアム」のほか、コンサート・ホール「オーチャード・ホール」、劇場「シアター・コクーン」、映画館「ル・シネマ」、ギャラリー・スペース、ミュージアム・ショップ、レストランなどがあります。
11.原宿 ワタリウム美術館
東京メトロ銀座線外苑前駅から徒歩8分、外苑西通りにある現代美術館です。原宿/表参道から向かう場合は、アップル・ストアの左側にあり、とんかつの名店「まい泉」など多くのお店が並ぶ原二本通りを抜けて左手にあります。
写真や映像、建築やデザインなど国内外の現代アートに焦点を当てた展覧会が年3~4回開催され、それに関連した様々なワークショップや講演会が開催されています。通常は19:00閉館ですが、毎週水曜日だけは21:00までやっていますので、週半ば、仕事後の息抜きとして訪れるのもおすすめです。
三角形の土地に建てられた幾何学的な4階建てのビルはスイスの建築家マリオ・ボッタが手がけたものですが、彼は僕が子供の頃から何度も足を運んでいたサンフランシスコ近代美術館が1995年に現在の場所に移設される際に設計を担当したことでも有名です。ワタリウム美術館のファサードをみる度にどこか親しみを感じます。
隣のフラワー・ショップ/プランツ・ショップ「FUGA」もとても癒される空間ですので、是非チェックしてみてください。
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ワタリウム美術館
12.原宿 オンサンデーズ
ワタリウム美術館のミュージアム・ショップです。1Fには文房具やハガキ、雑貨などが販売され、階段を降りた地下にはカフェ・スペースと大量のアート・デザイン・写真などの本が並ぶ書店があります。
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オンサンデーズ
13.原宿 MoMA Design Store
表参道の真ん中辺りに位置するファッション複合ビル「GYRE」の3Fにあるニューヨーク近代美術館(MoMA)の公式店です。
MoMAの商品だけでなく、デザインの優れたインテリアや雑貨、遊び心のある日用品が集められているので、美術館を訪れる感覚で見て回っても十分見応えがあります。アートを日常に取り込むつもりでお買い物をすれば、値段も納得です。
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MoMAデザインストア
14.新宿 草間彌生美術館
今や世界のアート・ファンの間では、その名前を知らない人はいない、日本を代表する現代アーティスト草間彌生の美術館です。
5階建てのビルの建物で、年2回の展覧会を通して、数々の草間作品を展示し紹介しています。
当日券は販売しておらず、全て日時指定の予約制ですので、チケットに関してはオフィシャルHPから購入してください。
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草間彌生美術館
15.エピローグ
最後に柳宗悦についてもう一言。
日本人は、明治維新以来、現在に至るまで、欧米の文化を“上等"なもの、日本の文化を“下等"なものと捉える傾向があります。しかし、戦前の日本に、日本の大衆文化に注目する人物がいました。柳宗悦です。彼は、“民藝運動"と呼ばれる活動をリードしました。
“民藝運動とは、「日本民藝美術館設立趣意書」の発刊により開始された、日常的な暮らしの中で使われてきた手仕事の日用品の中に「用の美」を見出し、活用する日本独自の運動。"(Wikipediaより引用)
その“柳宗悦"が1936年に建てたのが、駒場にある“日本民藝館"です。
この民藝館は、派手な展示やイベントがあるわけでは、ありませんが、是非一度、日本人はもちろんのこと、外国人にとっても、訪れてみる価値のある美術館です。
因みにBigBrotherは、柳宗悦の長男である柳宗理がデザインしたステンレス製の“鍋"を愛用しています。