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オススメの海外の雑誌 (3)
 人生を豊かにする男性ファッション・カルチャー・音楽誌編 - 『エスクワイヤー』『GQ』『モノクル』『ニューヨーカー』『ワイヤード』『ローリング・ストーン』『DJマガジン』 | BOOKS & MAGAZINES #006
2021/08/02 #006

オススメの海外の雑誌 (3)
人生を豊かにする男性ファッション・カルチャー・音楽誌編 - 『エスクワイヤー』『GQ』『モノクル』『ニューヨーカー』『ワイヤード』『ローリング・ストーン』『DJマガジン』

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OCEAN
経営コンサルティング / エンジェル投資家

目次


1.プロローグ

夏が近づくと、東京ではネクタイをしないサラリーマンを多く見かけます。カリフォルニアのシリコンバレーでは、1年中Tシャツ姿のビジネスマンを多く見かけます。

服装というものは、どの時代にも、どの地域においても、身分や社会的な地位を表してきました。

ネクタイをしないサラリーマンは、大抵シャツもスーツもヨレヨレで、靴も鞄も手入れされていなく、二流の人物であることがすぐにわかります。

Tシャツにジャケットのスタイルのビジネスマンは、ICTかファッション関係の仕事をしていることを表しています。大抵このスタイルの人は、靴下を履いていないことが多いです。

こういった“ステレオタイプ"のファッションというのは、いかがなものなのでしょうか。服装を毎日の惰性で選んでいる人は、仕事に対してもプライベートな時間においても、クリエイティブではないのでしょう。

女性に比べて男性のファッションというものは、一見選択肢が少ないように思えますが、だからこそ奥が深いのではないでしょうか。

海外の男性向けファッション誌は、服装のことだけではなく、知性のあり方やライフスタイルに対しても提言しています。その人の知性やライフスタイルとファッションは、密接に関連しているのです。

そう言えば、毎日同じスーツばかりを着ていた米国大統領は、口だけは達者でしたが、全くもってクリエイティブな政治活動は行いませんでした。


2.『エスクワイヤー』

大恐慌の真っ只中であった1933年に創刊され、ファッションを中心にライフスタイル、カルチャー、アート、時事問題を取り上げる総合男性誌。アーネスト・ヘミングウェイやF・スコット・フィッツジェラルドなど、20世紀のアメリカ文学を代表する作家がショート・ストーリーやエッセイを寄稿したことでも知られています。恒例のコンテンツとして『最もセクシーな女性』や『いかがわしい業績賞』があります。1987年から日本版も発行されていましたが、2009年に惜しくも休刊となりました。


3.『ニューヨーカー』

1925年に創刊された総合カルチャー誌です。政治や社会問題に焦点を当てたジャーナリズム、ポップ・カルチャーを取り上げたエッセイ、短編や書評など、それに加えニューヨークのタウン情報が掲載されています。機知に富んだ独特な文章のスタイルは、スノッブなニューヨーカー向けであり、読者を選びますが、それがこの雑誌の魅力でもあります。毎回表紙はイラストが描かれており、そこには必ず時事問題に関する何らかの主張があることが特徴です。また、誌面の風刺漫画も名物となっており、この雑誌に作品が掲載されることは、イラストレイターにとってひとつの目標であります。


4.『Monocle』

『Wallpaper*』の創業者でもあるカナダ人のタイラー・ブリュレが、2007年に創刊したグローバル情報誌です。世界を舞台に活躍する経営者、ジェットセッター、富裕層に向けて、政治や経済のニューズからラグジュアリー・ブランドの情報までを届けています。現在は、英国を拠点とした総合メディア・ブランドとして、雑誌以外にもレイディオ、ディジタル・メディア、リテールなどの様々な派生的な事業も展開しています。毎年恒例のコンテンツである『世界一住みやすい都市ランキング』では、2015年から3年連続で東京が1位に選ばれました。(最新の2018年のランキングでは、東京が2位、京都が17位、福岡が22位にランクインしています。)因みに、 “奥渋"エリアには、雑誌の東京支局が併設された『The Monocle Shop Tokyo』があります。


5.『GQ』

1931年にアパレル業界向けの専門誌として創刊され、1957年からは一般男性に向けて発刊されている男性ファッション誌です。現在は、ファッションや洗練された都会的なライフスタイルに関心のある、20代後半~30代前半の“メトロセクシャル"(都会的を意味する“metropolitan"と “heterosexual"を掛け合わせた言葉)をターゲットとしています。現在『GQ JAPAN』も、毎月発刊されており、2018年12月号には、テニスの全米オープンを制覇したばかりの大坂なおみが、初めて男性誌の表紙を飾ったことでも話題となりました。因みに、GQは“Gentleman’s Quarterly"の略で、初期は季刊誌として発刊されていたことから付いた名前です。(※quarterlyとは、年に4回発行される季刊誌のことです。)


6.『ウォールペーパー』

建築、インテリア、ファッション、トラヴェル、アートを取り上げるデザイン&ライフスタイル誌です。雑誌に掲載されていないコンテンツが中心となっている公式サイトも充実しています。アート/デザイン系の出版社として知られる「ファイドン社」から出しているポケット・サイズの都市ガイドも、定評があります。因みに、雑誌名の後ろに付いている星印(アステリスク)は、表紙のロゴの下にあるスローガンに、目が行くように付けられたそうです。そのスローガンとは、創刊当初は“the stuff that surrounds you"(あなたの周りにあるもの)となっていましたが、2013年にリニューアルされる際に、“the stuff that refines you"(あなたを洗練するもの)に変わりました。


7.『インタビュー』

ポップ・アート界の巨匠アンディ・ウォーホルとイギリスのジャーナリストのジョン・ウィルコックが、1969年に創刊したカルチャー誌です。有名人が有名人をインタヴューするというスタイルを確立させたことで知られています。この雑誌の“ニックネイム"は「ポップのクリスタル・ボール」(The Crystal Ball of Pop)です。紙媒体の広告収入の減少により、2018年5月には発行元が破産を申し立てて、一時期休刊が予告されましたが、その後オーナーの娘を中心に新しく立ち上げられたCrystal Ball Media社に買い取られ、同年9月には復刊しました。


8.『WIRED』

デジタル革命や新しいテクノロジーが政治・経済・社会・文化にどのような変化をもたらすか、に焦点を当てたテクノロジー誌です。元編集長のクリス・アンダーソンが “ロングテール"を提唱したり、編集者が“クラウドソーシング"という造語を生み出すなど、デジタル時代を語る上で欠かせない概念をこれまでも紹介しています。毎年の恒例コンテンツとしては、“大々的に前宣伝されながらも最終的には、日の目を見ずに失敗に終わった製品やヴィディオ・ゲイム"を取り上げる『前宣伝倒れの製品』賞があります。日本語版の『WIRED JAPAN』は2017年末に、休刊が発表されたが、2018年の秋に復刊予定が発表されています。


9.『ローリング・ストーン』

リベラル思想のムーヴメントの視点から音楽や、カウンターカルチャーに焦点を当てた音楽誌です。音楽評論だけでなく、70年代には政治に関するレポートが話題を呼びました。80年代以降はポップ・カルチャー一般を取り上げた内容も増えています。アニー・リーボヴィッツが撮影したジョン・レノンとオノ・ヨーコ(因みに、レノンはその撮影の数時間後に射殺されました)、胸元を覆い隠した上半身裸のジャネット・ジャクソン、いばらの冠を被ったイエス姿のカニエ・ウェストなど、ロックとポップの音楽史を象徴する写真が表紙を飾ったことでも知られています。『歴代アルバム500』『歴史上最も偉大な100組のアーティスト』などのランキングも、とても評価の高いコンテンツです。


10.『ダウンビート』

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1934年に創刊された、ジャズとブルーズを中心に記事やレヴューを掲載したアメリカの音楽誌です。一般読者と批評家の投票によって選ばれる『ダウンビート・ジャズの殿堂入り』などの調査が、恒例のコンテンツとなっています。プロのミュージシャンが曲を聴かされ、アーティスト名を当てると同時に、評価をするという『目隠しテスト』は、正にジャズ雑誌ならではの人気企画です。ジャズ・ファンというものは、初めて聴く音源のプレイヤーを当てるのが、大好きなのです。


11.『DJマガジン』

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1991年に創刊された、ダンス・ミュージックとDJカルチャーを専門に取り上げるイギリスの音楽誌です。クラブ・シーンを蝕むドラッグ問題に迫ったレポートから、最新の音響機材のレヴューまで、クラブ・シーンをあらゆる面から取り上げています。毎年発表される『DJ Mag Top 100』には定評があります。しかし、2010年代以降いわゆる“EDM"が人気になっていく中で、ランキングもどんどんメインストリーム寄りになってきたことは、シーン全体の盛り上がりからすると嬉しい反面、アンダーグラウンド感が薄れていくという面では、残念でもあります。


12.『スピン』

1985年に創刊された『SPIN』は、ロックとポップの“エスタブリッシュメント"に焦点を当ててきた『ローリング・ストーン』に代わる視点を提示する形で、早期からヒップ・ホップやニュー・ウェーヴ、グランジやミクスチャー、パンクや実験的なロックなど、いわゆる“オルタナ"系の音楽を取り上げています。2012年の9・10月号を最後に印刷版はなくなりましたが、オンライン版は今でも健在です。


13.エピローグ

日本人の多くは、インフォメイションとインテリジェンスの違いを理解できていません。

インフォメイションは、“いつ。どこで。誰が。何を。"といった一次的な事実についての“知識"のことです。

一方、インテリジェンスとは、“なぜ。どうして。どうなのか。"といった知的な分析が加えられた“智慧"のことです。

最近、日本で大人気のクイズ番組というのは、インフォメイション(知識)についての戦いでしかありません。

しかし、現実社会においては、知的なインテリジェンス(智慧)が求められます。

インテリジェンスには、もちろんインフォメイションが不可欠ではあるのですが、インフォメイションは、点や線でしかなく、インテリジェンスは、それらを含めた面であるのです。

つまり、インフォメイションが多かったクイズ王であったとしても、社会やビジネスで成功するとは、限りません。

アメリカの諜報機関であるCIAの“I"はもちろんIntelligenceの“I"であります。
ICTの“I"は、Informationの“I"であり、AIの“I"は、Intelligenceの“I"であることも付け加えておきます。

この20年間のICTの時代からAIの時代へシフトする時期だからこそ、インテリジェンスの重要性に気づくべきなのです。


BOOKS & MAGAZINES #006

オススメの海外の雑誌 (3)人生を豊かにする男性ファッション・カルチャー・音楽誌編 - 『エスクワイヤー』『GQ』『モノクル』『ニューヨーカー』『ワイヤード』『ローリング・ストーン』『DJマガジン』


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