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“いい音楽"と“いい音質"を知るためのクラシカル・ミュージックとジャズのコンピレイション盤
  - 試聴にオススメの録音が優秀なCD (2) | GEAR & BUSINESS #006
2021/08/09 #006

“いい音楽"と“いい音質"を知るためのクラシカル・ミュージックとジャズのコンピレイション盤
- 試聴にオススメの録音が優秀なCD (2)

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OCEAN
経営コンサルティング / エンジェル投資家

目次


1.プロローグ

iTunes Storeで思った瞬間に音楽が購入できたり、Spotifyなどのストリーミング・サーヴィスで音楽を好き放題聴ける今の時代において、CDにもはや存在価値があるのか、と思う方がいるかもしれません。

しかし、こうした音源には音質の問題があるのです。インターネット・サーヴィスで配信される音楽の多くは、MP3レヴェルの音質であることが多く、MP3はCDの1/10程度のデータの音質なので、スマホに付属されたイヤフォンやパソコンの内臓のスピーカーで聞く分には、何の違和感もないかもしれません。が、それはあくまで音楽を不具合なく聴くための最低限の音質なのです。レストランのBGMのように、受動的には、耳に入ってくるのであればいいのですが、能動的に音楽を聴くには十分なクオリティとは言えないです。

このようなストリーミング・サーヴィスで音楽を聞いていても、後で自分が何を聞いていたのか、思い出せなかった経験をしたことがある方は結構多いのではないでしょうか。最近知り合った人に「どんな音楽を聴いていますか?」と聞いても、「色々聞いているんだけど、ストリーミングしているのでミュージシャン名とか曲名は分からないんだよね・・・」のような答えが返ってくることが多くなりました。

レイディオDJが紹介したくてしょうがない新曲を選曲して、あるいは知っておくべき名曲を掘り出してかけるレイディオ番組などとは違って、インターネット経由で聞く音楽は、量はあっても、その質はピンからキリまであります。

この問題点を両方ともクリアしているのが、音楽のプロが選曲し(今のバズワードでいうと、"キュレイション"ですね)、音質もMP3クオリティーより数段高い、CDコンピレイションです。CDは、ものによって、79分30秒までの音楽が収録可能なのですが、それが制限されていることで厳選された曲だけを聴くことができるのです。

良いコンピレイションには、本当に聴くべき音楽が収録されています。それは、リスナーとしての教養をつけるための一つの"教材"として考えていいのではないでしょうか。


2.いい音楽、いい音質を知るためには

まずは、クラシカル・ミュージックとジャズのコンピレイションCDを聴いてみましょう。

いい音楽とは何か。いい音質とはなにか。という問いは、古くて新しい問題です。究極的には、「個人の好み」ということになるのでしょうが、そこに至るためにも、基準となる音楽経験が必要なのではないでしょうか。

いい音楽、いい音質を知るための練習としては、クラシカル・ミュージックジャズという伝統的かつ普遍的と言われるジャンルの音楽を知ることが一番だと思います。

クラシカル・ミュージックもジャズもとても多くの音楽家の作品があり、どこから手をつけていいのかは、分かりにくいでしょう。

そこで、オススメなのが、“コンピレイション"と呼ばれるタイプのCDを色々と聴いてみることです。

特に日本のレコード会社やタワーレコード(今や日本のみの会社になりました)がなかなか優れた選曲を行なっているので、こうしたCDを聴いてみることをオススメします。

訪日した外国人にも日本で選曲された、こうしたコンピレイションCDをお土産にすることをススメています。


3.クラシカル・ミュージックのコンピレイション

交響曲などは、長い演奏時間のものが多く、初心者は、退屈になってしまうのです。

コンピレイションの良いところは、その曲の一番いいところ(キャッチーなところ)を中心に収録されているものが多いので、自分は、どんな作曲家のどんな形式(シンフォニーなのか、コンチェルトなのか、オペラなのか)の曲が好きなのかが、ザックリと分かるようになることでしょう。

そこで、クラシカル・ミュージックという“官能の泥沼"にはまると、同じ曲でも、どの指揮者が、どの楽団で、どのホールで、いつ演奏されたのかといった、とてもディープな違いに歓びを見出すようになります。

指揮者:ヘルベルト・フォン・カラヤン、カルロス・クライバー、小澤征爾ほか
楽団:イ・ムジチ合奏団、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、シカゴ交響楽団ほか
演奏者:ルチアーノ・パヴァロッティ、内田光子、チョ・ソンジン、ユジャ・ワン、マルタ・アルゲリッチほか

作曲者:ベートーヴェン、ショパン、モーツァルト、リスト
演奏者:反田恭平、髙木竜馬、牛牛(ニュウニュウ)、ジュリエット・ジョルノー、シモン・ネーリングほか

演奏者:葉加瀬太郎、高嶋ちさ子、古澤巌

作曲家:チャイコフスキー、メンデルスゾーン、ショパン、エルガー、ラフマニノフ、ラヴェル、ワーグナー、モーツァルト、ベートーヴェン、ドビュッシー、リスト、ショパン、サティほか
楽団:ウクライナ国立交響楽団, アイルランド国立交響楽団, スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団, シュヴァーネン・サロン・オーケストラ, チェコスロヴァキア放送交響楽団ほか

作曲者:モーツアルト、ロッシーニ、ヴェルディ、プッチーニ、ビゼー、ワーグナーほか
演奏者:マリア・カラス、プラシド・ドミンゴ、ルチアーノ・パヴァロッティ、ホセ・カレーラス、フランコ・コレッリ、アルフレード・クラウス、ニコライ・ゲッダほか

作曲家:リスト、ベートーヴェン、ショパン、モーツァルト、ドビュッシー、シューベルト、メンデルスゾーン、ラヴェル、ガーシュウィン、サティ、ラフマニノフ、ドヴォルザーク、チャイコフスキーほか
演奏者:ミハイル・プレトニョフ、ジャンヌ=マリー・ダルレ、アレクシス・ワイセンベルク、モーラ・リンパニー、マルタ・アルゲリッチ、アルド・チッコリーニ、マウリツィオ・ポリーニほか

指揮者:ヘルベルト・フォン・カラヤン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、ルドルフ・ケンペ、リッカルド・ムーティ、アンドレ・クリュイタンス、マルコム・サージェント
演奏楽団:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ウィーン国立歌劇場合唱団

指揮者:ヘルベルト・フォン・カラヤン
演奏楽団:フィルハーモニア管弦楽団、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

作曲家:セルゲイ・ラフマニノフ 、 ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー 、 ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン 、 フレデリック・ショパン 、 フランツ・リスト 、 ロベルト・シューマン 、 エドヴァルド・グリーグ 、 ヨハネス・ブラームス 、 マヌエル・デ・ファリャ 、 モーリス・ラヴェルほか
指揮者:リボル・ペシェク 、 ローレンス・フォスター 、 ハンス・フォンク 、 ミシェル・プラッソン 、 ジョルジュ・シフラ 、 マリス・ヤンソンス 、 ドミトリー・キタエンコ 、 アンドリュー・デイヴィス 、 ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス 、 リチャード・ヒコックスほか
演奏者:ミハイル・プレトニョフ 、 ジャン=ベルナール・ポミエ 、 クリスティアン・ツァハリアス 、 フランソワ=ルネ・デュシャーブル 、 ジョルジュ・シフラ 、 レイフ・オヴェ・アンスネス 、 スティーヴン・ハフ 、 ゴンサロ・ソリアーノ 、 アンドルー・リットン 、 ウェイン・マーシャルほか


4.ジャズ / ジャズ・ヴォーカル の楽しみ方

ジャズも今や伝統的・古典的な音楽として捉えられています。

ジャズも、クラシカル・ミュージック同様、とても多くの作品がリリースされており、初心者には、どのミュージシャンの、どのCDを選んでいいかが分かりにくいジャンルとなっています。

ジャズも時代によって、人気のジャンルが変化し、ミュージシャンによっても、時代によってプレイ・スタイルが全く異ります。(代表的にはマイルス・デイヴィスです。)

ジャズという“大海原"に出航するための練習として、コンピレイションを色々と買ってみて、大体の方向性をつかんで下さい。

特に初心者には、ジャズ・ヴォーカルがオススメです。

ジャズとジャズ・ヴォーカルのコンピレイションについては、タワーレコードがとても意欲的な企画盤を出しており、ここからJAZZの世界に入ることが、いいのかもしれません。

オススメのJAZZのコンピレイション

ビル・エヴァンス、オスカー・ピーターソン、バド・パウエル、レッド・ガーランド、アーマッド・ジャマル、セロニアス・モンク、ホレス・シルヴァー、ソニー・クラークほか

ジョン・コルトレーン、ソニー・ロリンズ、アート・ペッパー、スタン・ゲッツ、チャーリー・パーカーほか

マイルス・デイヴィス、リー・モーガン、クリフォード・ブラウン、フレディ・ハバード、チェット・ベイカーほか

カーティス・フラー、J・J・ジョンソン、ボブ・ブルックマイヤーほか

ビル・エヴァンス、オスカー・ピーターソン、バド・パウエル、トミー・フラナガン、エディ・ヒギンズ、ノーマン・シモンズほか

ビル・エヴァンス、セロニアス・モンク、ボビー・ティモンズ、レッド・ガーランド、バリー・ハリス、クリス・アンダーソン、ジョイス・コリンズほか

アート・ブレイキー、フィリー・ジョー・ジョーンズ、マックス・ローチ、バディ・リッチ、エルヴィン・ジョーンズほか

ウェス・モンゴメリー、ジム・ホール、ケニー・バレル、グラント・グリーン、タル・ファーロウ、マンデル・ロウほか

ゲイリー・バートン、ミルト・ジャクソン、カル・ジェイダー、ヴィクター・フェルドマン、テリー・ギブスほか

オススメのヴォーカル・ジャズ・コンピレイション

サラ・メネスカル、カレン・ソウサ、カサンドラ・ベック、ザ・クールトレーン・カルテット、フローラ・マルティネスほか

カレン・ソウサ、サラ・メネスカル、フローラ・マルティネス、ザ・クールトレーン・カルテット、ミッシェル・シモナールほか

カレン・ソウサ、フローラ・マルティネス、ザ・クールトレーン・カルテット、ミッシェル・シモナールほか

カレン・ソウサ、ザ・クールトレーン・カルテット、カサンドラ・ベック、ミッシェル・シモナール、サラ・メネスカルほか


5.FUSIONのコンピレイション

80年代、90年代の日本ではフュージョン/クロスオーバーの大きなブームが起きました。

フュージョン/クロスオーバーというジャンルは、アメリカの黒人音楽であるJAZZに、様々な民族音楽の要素が混ざることで、世界的な音楽に成長したもので、日本人にも強くアピールしたのでしょう。

現在でも、このジャンルは、“スムーズ・ジャズ"という名称でアメリカにおいても人気があります。(それでも、日本での方が人気が高いようです。)

FUSIONについての優れたコンピレイションが近年、タワーレコードの企画盤として多くリリースされています。

かつてのFUSIONファンの方も、その時代を知らない人にとってもオススメのCDです。

オススメのFUSIONのコンピレイション

アジムス、シャカタク、フルーツケーキ、デイヴ・グルーシン、リー・リトナー、渡辺貞夫、エリック・ゲイル、リチャード・ティー、日野皓正、ボブ・ジェームス、大野雄二ほか

スタッフ、ラリー・カールトン、グローヴァー・ワシントンJr、パット・メセニー、渡辺貞夫、ジョージ・ベンソン、デイヴィッド・サンボーン、マイケル・フランクス、アル・ジャロウ、イエロージャケッツ、マンハッタン・トランスファーほか

ウェザー・リポート、ハービー・ハンコック、ジョージ・デューク、スパイロ・ジャイラ、ブレッカー・ブラザーズ、ケニー・G、マイルス・デイビスほか

カシオペア 、 今剛 、 松原正樹 、 鳥山雄司 、 PARACHUTE 、 宮崎隆睦 、 市原ひかりほか

渡辺貞夫 、 高中正義 、 カシオペア 、 THE SQUARE 、 渡辺香津美 、 NANIWA EXPほか


6.エピローグ

日本限定のCDも多いので、訪日した海外のJAZZファンの方々は、ぜひ一度渋谷のタワーレコードに行って、今回紹介したCDを購入してみて下さい。


GEAR & BUSINESS #006

“いい音楽”と“いい音質”を知るためのクラシカル・ミュージックとジャズのコンピレイション盤 - 試聴にオススメの録音が優秀なCD (2)


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