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サン・フランシスコとロス・アンジェレスのサイケデリック・ロック・サウンド
  - ウェスト・コースト・ロック入門 (3)
  - ジェッファーソン・エアプレイン/ジャニス・ジョプリン/グレイトフル・デッド/ドアーズ | MUSIC & PARTIES #010
2021/08/30 #010

サン・フランシスコとロス・アンジェレスのサイケデリック・ロック・サウンド
- ウェスト・コースト・ロック入門 (3)
- ジェッファーソン・エアプレイン/ジャニス・ジョプリン/グレイトフル・デッド/ドアーズ

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Mickey K.
風景写真家(公益社団法人・日本写真家協会所属)

目次


1.プロローグ

MUSIC & PARTIESの#008ではイーグルスについて、前回の#009ではドゥービー・ブラザーズについてKAZOOが説明してくれました。

これから数回に分けて、イーグルス関連のミュージシャンである、ジャックソン・ブラウンとJ・D・サウザーについて、更に彼らとの関係が深いリンダ・ロンシュタットとボニー・レイットについて、Mickey K. が解説していきます。まずはその前に、60年代のカリフォルニアの音楽について触れたいと思います。


2.60年代のサンフランシスコ・ベイエリアで生まれたサイケデリック・ロック・サウンド

1960年代後半のアメリカは、ヒッピー・ムーヴメントの嵐が吹き荒れ、様々な政治現象、文化現象が花開きました。

カリフォルニア、特にサンフランシスコ・ベイエリアは、ヒッピー・ムーヴメントの中心的な地域となり、この街から、ジェファーソン・エアプレインやグレイトフル・デッドといった“サイケデリック・ロック"のバンドが次々と生まれました。

『シュールリアリスティック・ピロー』 (1967年)

サンフランシスコのサイケデリック・ロックの第1作とされる、ジェッファーソン・エアプレインの2枚目のオリジナル・アルバムです。当時ローカルなシーンだったサンフランシスコ・サウンドを、アメリカ全土に届けました。2003年には『ローリング・ストーン』誌の『歴代アルバム500』 のランキングで146位に選ばれました。グレイトフル・デッドのギタリスト、ジェリー・ガルシアも何曲かに参加しています。

『ライヴ/デッド』 (1969年)

ライヴ演奏で、果てしなく続くようなインプロヴィゼイションを演奏し、観客をトリップさせる、グレイトフル・デッドのサウンドが見事に収録されたバンド初のライヴ・アルバムです。2003年には『ローリング・ストーン』誌の『歴代アルバム500』のランキングで244位に選ばれました。


3.ドアーズとL.A.のサイケデリック・ロック

一方でLAでも、サンフランシスコ・サウンドとは異なるものの、幻覚体験に影響を受けた音楽が生まれました。LAのサイケデリック・ロックを代表するバンドといえば、ドアーズです。

『ハートに火をつけて』(1967年)

ドアーズのデビュー作にして最高傑作のアルバムです。バンドの代表曲である『ハートに火をつけて』や『ブレイク・オン・スルー』、映画監督フランシス・フォード・コッポラ『地獄の黙示録』(1979年)に起用された『ジ・エンド』が収録されています。2012年には、『ローリング・ストーン』誌の『歴代アルバム500』のランキングで42位に選ばれました。


4.ヒッピー運動の終焉

しかし、1969年のウッドストック・フェスティバルやオルタモント・フリーコンサートをきっかけに、行きすぎたヒッピーたちの振る舞いに対してアンチ・ヒッピーの傾向が強まります。これを受け、サイケデリック・ロックのブームは終焉へと向かいます。翌年の1970年には、サイケデリック・ロックを代表するギタリストのジミ・ヘンドリックス、シンガーのジャニス・ジョップリン、そして1971年にはドアーズのヴォーカリストのジム・モリソンが薬物の過剰摂取で亡くなった事も、このムーヴメントの終焉の一因となりました。

『エレクトリック・レディランド』(1967年)

ヘンドリックスのデビュー・アルバムとなった本作は、その後のロックの方向性に大きく影響するだけでなく、エレキ・ギターという楽器の可能性を広めたことでも知られる歴史的名盤です。『ローリング・ストーン』誌の『歴代アルバム500』のランキングで15位に選ばれました。

『パール』 (1971年)

ジョプリンの死後にリリースされた、2枚目のソロ・アルバムです。全曲の歌入れ(ヴォーカルの録音)を終える前にジョプリンは亡くなってしまったため、10曲のうち1曲はインストゥルメンタルとなっています。アルバムのプロデューサーを務めたポール・A・ロスチャイルドは、ドアーズのスタジオ・アルバムのプロデューサーとしても知られ、ジョプリンの歌声の魅力を最大限に引き出しています。

『ウッドストック 愛と平和と音楽の3日間』(1970年)

ウッドストック・フェスティバルを追った1970年のドキュメンタリーのディレクターズ・カット盤です(オリジナルに貴重なパフォーマンスが追加され、再編集されています)。本作は第43回アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞を受賞し、その後の音楽コンサート映像に強い影響を与えました。のちに映画監督としてブレークしたマーティン・スコセッシが編集に関わっています。

『ラスト・ワルツ』 (1976年)

ボブ・ディランがバックバンドとして起用したことでブレイクしたカナダ/アメリカのロック・バンド「ザ・バンド」の解散ライヴを追った記録映画です。

『ウッドストック』

ウッドストック・フェスティバルからの名演を収めた2枚組です。

フォーティ・リックス (2002年)

バンドの結成40周年を記念した、レーベルを超えて制作された40曲収録のベスト盤です。

『ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト』 (2008年)

マーティン・スコセッシが監督を務めた、ローリング・ストーンズが2006年に行った慈善コンサートを記録した音楽ドキュメンタリー及びライヴ・アルバムです。


MUSIC & PARTIES #010

サン・フランシスコとロス・アンジェレスのサイケデリック・ロック・サウンド - ウェスト・コースト・ロック入門 (3)


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