1.プロローグ
僕の母親は、アメリカでも日本料理店でマネージャーをしていたので、日本食についてはエキスパートといえます。
僕は、サンタクララにいた子供の頃から、母が作ってくれる日本食で成長してきました。エルサルバドル出身の父も同様に。父は、すっかり日本の味が気に入っており、ビールもいつも “男は黙ってサッポロビール"でした。
体格は、ラテン系の父譲りで大きいのですが、舌と内臓は、間違いなく、日本人のもののようです。
そんな僕が東京で暮らしている最大の理由の一つは、正に食べ物なのです。
多くの色々な国の外国人の友人に聞いても、異口同音に日本の特に、東京の料理は、美味しいと言います。
イタリア人は、イタリアのイタリア料理店よりも東京のイタリア料理の方が美味しいと言います。中国人も、中国にある中華料理よりも東京の中華料理の方が美味しいと言います。
食通で名高い、フランス人でさえ、東京のフランス・パンが世界一だと言うほどです。
実際、かの『ミシュラン』でさえ、パリよりも東京のレストランに多くの星をつけるぐらいですから。
今回は、アメリカから友人が来た時によく連れていく、僕の行きつけのお店を紹介したいと思います。
2.青山/まい泉 本店 (とんかつ)
どんなタイプの人にもオススメなのが、表参道の奥まったところにある、とんかつの『まい泉』です。
子供から、大人まで、男性にも女性にも、少人数にも大人数(要予約)でも連れて行きやすいお店です。英語のメニューもあります。
多くのデパ地下にも出店していて、「カツサンド」が有名ですが、この青山本店は、更に楽しいメニューがいっぱいあります。
大人の男性には、1日5食限定のボリュームいっぱいの「東京Xロースかつ膳」、女性には、いろいろな料理が少しずつ入っている「ミックスフライ膳」、12歳以下の子供には、「お子様ランチ」がオススメ。
ちなみに僕は、ランチタイムのみの数量限定の「ロースかつ丼」と日替わりの「まい泉定食」がお気に入りです。
<RESTAURANT INFO>
とんかつ まい泉(青山本店)
3.奥渋/魚力(定食)
NHKでの仕事の時の昼食は、最近“奥渋"と呼ばれているエリアにある、鮮魚店・定食屋の『魚力』という店で食べることにしています。
1階が魚屋さんで、1階の奥と2階で定食を食べることができます。壁からメニューが書かれた札を取り、席に進みます。札の裏には番号が書かれていて、その日の「当たり」であれば、小鉢1品をタダでもらえます。夜は、コース・メニューもオススメです。
僕のお気に入りは、「あじなめろう定食」と脂ののった「サバの味噌煮込定食」。
時間のない時は、「ブリの照焼弁当」にすることもあります。
ご飯と味噌汁はお代わり自由ですが、あまりお腹が空いていない場合は、最初からご飯は小盛りを頼みましょう。ご飯を残すと、罰金が課されることもあるのだとか・・・
名物の女将の人柄も最高です。
<RESTAURANT INFO>
魚力
4.渋谷/森本(焼き鳥)
外国人に人気の渋谷の焼き鳥といえば、ガード下のいつも煙がモクモクしている『鳥竹』が有名ですが、僕のお気に入りは、鳥竹のガードの反対側にある『森本』です。
大抵は、はじめに「Aコース」を頼み、その後焼き鳥を3~5本、気分によって追加します。
疲れている時は、「レバ刺し」や「きも焼」を頼むことも多いです。
お酒を飲むと、5000~6000円にはなりますが、とても満足のいく、焼き鳥屋さんだと思います。
サラリーマンが酔っ払い、猥雑とした雰囲気の中、職人さんたちの仕事ぶりを見ているのも楽しい時間です。日本の良さを感じる瞬間です。
ちなみに、鳥竹のランチタイムの「やきとり丼」もお値打ちです。
<RESTAURANT INFO>
森本
5.渋谷/ラーメン 喜楽
UCLAから上智大学に留学していた時、ラーメンが好きだと言ったら、知人に連れてこられて以来、やみつきなのが、渋谷の『喜楽』です。
大食漢だった(今も?)僕は、知人の勧めで、「もやし麺」と「焼き餃子」と「炒飯」を注文しました。
その時のインパクトは、本当に人生が変わるほどのものでした。
見た目は、普通のラーメンと餃子と炒飯なのですが、それまでも色々食べてきたものとは、異次元の美味しさを感じました。
店が風俗街の入り口付近にあり、アメリカでは経験のしたことのない“相席"であったことも多少は、影響があるのかもしれませんが、揚げたネギの風味のラーメンは、とても衝撃的なものでした。
餃子や炒飯もシンプルでいながら、ドンとくるインパクトがありました。
<RESTAURANT INFO>
6.渋谷/グズマン・イー・ゴメズ
僕は、年に3回ほど、急にメキシコ料理が食べたくなることがある。
そんな時、道元坂にできた『タコベル』に行くか、渋谷の『シップス』の近くの『テックスメックス・ファクトリー』に行くか悩んでいたのですが、最近はそこに『グズマン・イー・ゴメズ』という選択肢も加わりました。
オーストラリア発のメキシコ料理店というのは、少し微妙な感じなのですが、僕は、『グズマン・イー・ゴメズ』がイチオシです。
値段は、他の2店に比べて、やや高いのですが、食材のクオリティは、一番です。
ハーフや帰国子女、留学生の集まりが定期的にあるのですが、貸切スペースもあるので、是非一度ここでパーティーを開きたいと思っています。
原宿の『ラフォーレ』にも支店があるのですが、こちらも外国人観光客に人気です。
加えて、「フローズン・マルゲリータ」の飲み過ぎには、くれぐれも注意すること。
<RESTAURANT INFO>
グズマン・イー・ゴメズ
7.青山・渋谷/クアアイナ 本店・宮益坂店(ハンバーガー)
僕は、年に4回ほど、急にハンバーガーを食べたくなることがあります。
そんな時は、『クアアイナ』のハンバーガーを食べることにしています。『バーガーキング』も『ウェンディーズ』も、とても魅力的なのですが、やはり、クアアイナを選んでしまいます。
骨董通りと青山通りが交差する丁字路(ていじろ)にある青山本店もいいのですが、急な狭い階段のことを考えると、いつも宮益坂店を選んでしまいます。
クアアイナは、いつかは、ビックウェーブに挑んでみたいハワイのノースショアのハレイワに本店があるので、この店に行くたびに、サーフィンへの憧れが募ります。
クアアイナでは、「テリヤキ・バーガーのクオーター・バーガー」と「パストラミのサンドウィッチ」(日本ではあまりパストラミが売られていないので)、それに「オニオンリングのL」を頼みます。
ハンバーガーを大きな口を開けて囓ると、自分がアメリカ生まれであることを思い出します。
<RESTAURANT INFO>
クア・アイナ 青山本店
クア・アイナ 渋谷宮益坂店
8.エピローグ
テニスの後などに、青山の『まい泉本店』に大人数で行く(要予約)ことがよくあるのですが、そうすると大抵1階の奥の“西洋館"と呼ばれるエリアに案内されます。
そうすると、BigBrotherは、いつも同じ話をします。
高校時代、BigBrotherの友人は、“まい泉"の近くの大きな家に住んでいたので、夏休みなどはそこに、ラグビー部の仲間と合宿していたそうです。当時は、まい泉は、今ほど大きくはなく、現在西洋館となっているところは、なんと“神宮湯"という“銭湯"だったそうです。
なので、友人たちとその銭湯に入って、コーヒー牛乳を腰に手を当てて、飲んでいたそうです。入浴後は当然、もちろん隣の“井泉"(当時はこの屋号であった)で“井泉定食"に単品で“クリームコロッケ"と“メンチカツ"それに“ナスシン"(ナスのお漬物)を頼むことにしていたということです。
そして、帰り際には、西洋館の2つの入り口の間をさして“ここに番頭台があってね…"と同じ話が続くのです。