1.プロローグ
2018年3月29日に放送されたEテレ『世界へ発信!SNS英語術』のパイロット版の時に着た衣裳について説明します。
僕は、TVに出演するのは、アメリカでも日本でも初めての経験なので、収録の24時間前くらいから頭が真っ白になっていました。
NHKのスタジオに入ってからも緊張していると“パートナー"の一人である、お笑いコンビのガレッジセールのゴリさんが僕のことをイジッてくれて、現場の空気を和ませてくれました。さすが、プロの芸人さんは、すごいなと思いました。
本番になると、“解説"の一人である古田大輔さんもテキパキとコメントを述べていることにも驚かされました。クールなルックスなのに、話し出すと熱い男な感じがしました。
一方、僕はというと、何度か“噛んでしまい"NGを出してしまいました。生放送ではないことがせめてもの救いでした。
それでもなんとか収録が終わり“懇親会"となりました。
“パートナー"のペナルティのヒデさんとゴリさんは、本番と同じテンションで場を盛り上げてくれました。
“講師"の鳥飼先生とは、英語教育について意見を交換させていただきました。この日は、出演予定のなかった塚越先生も内藤陽介さんも収録から懇親会まで参加して下さいました。今後彼らもレギュラー出演されます。
“司会"の加藤さんは、女優として初出演されるTBSのドラマ収録のため、残念ながら懇親会には、参加できませんでした。
出演者の中では、僕が最年少なので、失敗をしても当分の間は、許されると思います。 とはいえ、“クビ"になる前に、なんとか一人前になりたいと思っています。
2.「ポロ・ラルフ・ローレン」のツイード・ジャケット
Eテレの「世界へ発信!SNS英語術」への出演のきっかけを作ったのが、この「ラルフローレン」のツイードのジャケットです。
「世界へ発信!SNS英語術」のプロデューサーの一人とは、2017年の暮れに、別の番組の勉強会で初めてお会いしました。僕がこのツイードを着てミーティングに出席していたところ、「いいね、先生みたいで」と言われ、後日新番組への出演をオファーしてくれました。
実は、このジャケットを入手するのには、ちょっとした“物語"があるのです。
これまで、主に通訳よりも翻訳の仕事が多かったので、スーツなどもほとんど着なかったのですが、昨年の秋頃から人前で通訳する機会が増えてきたので、少しいい秋冬物のジャケットが欲しいと思っていました。
デパートやセレクトショップなどを10店舗以上捜してみたのですが、“コレ"というものが見つかりませんでした。その日も、ジャケットを捜して原宿のキャット・ストリートを歩いていると、昨年の夏まで、ラルフローレンの『デニム&サプライ』があったところが、『ポロ ラルフローレン』というブランドでリニューアルされた店舗になっていました。その店頭にディスプレイされていた、ツイードのジャケットが目に入ってきたのです。
ツイードもいいなと思っていたので、試着してみたところ、僕に合う大きいサイズは、ありませんでした。しかも、プライス・カードを見るとなんと、11万円もするので、諦めるしかないと思いました。
店員さんは、親切に「表参道のフラッグシップ・ストアの方には、大きいサイズがあるかもしれないので、行ってみてください」と教えてくれました。
サイズが合ったとしてもジャケットだけで、11万円というのは、僕のこれまでの常識では考えられないことでしたので、呆然としていました。
その後もいくつかのショップを回った後に、表参道の交番の後ろにあるフラッグシップ・ショップの『ラルフローレン 表参道』に入ってみました。
試しに僕のサイズがあるかどうか、スタッフに尋ねてみると、日本に残っている最後の1つがあると言って、ジャケットを奥から出してきてくれました。
それを着てみると、これまでに感じたことのない、心地よさを感じることができました。これまでは、スーツなどのジャケットというものは、きついものを、半ば我慢して着るものだと思っていたのですが、このラルフローレンのツイードジャケットは、いつまででも着ていたい、このままソファーで寝てしまいたいと思う程、暖かく優しい肌ざわりでした。
スタッフによると、このツイードは、ラルフローレン創立50周年の記念として、ラルフ・ローレン氏が個人的に所有しているお気に入りのジャケットをモデルにした商品だとのこと。
でも、さすがに11万円は、高いなと思っていると、BigBrotherがパープル・レーベルのフィティングルームに入ってきて、そのジャケットの襟を触り、「これ30万円ぐらい?」とスタッフの方に尋ねました。「パープル・レーベルでオーダーすれば、それぐらいにはなります」という会話がなされました。
スタッフの方が丁寧にピンでアジャストしてくれると、更にフィット感が増してきて、購入しようか迷っていたところ、BigBrotherが“セレンディピティ"という言葉を僕に伝えてきました。
これまで、僕は占いとか運とか“スーパーナチュラル"なことには、懐疑的でしたが、この時に初めて“セレンディピティ"という概念が理解できた気がしました。
そして、5分後にはカード会社に利用限度額を確認し、このツイードのジャケットを購入することにしてしまいました。
3.「ブルックス・ブラザーズ」レッド・フリースの白のボタンダウンシャツ
トラッド・ファッション(ちなみにこれは和製英語です)が好きなアメリカ人にとって、「ブルックス・ブラザーズ」と言うブランドは、特別な意味を持っています。
2018年に創業200年を迎えた名高いブルックス・ブラザーズといえば、あのJFKなどのアイコンが着ていたブランドです。
今では、一般化したボタン・ダウンというシャツのカラーもブルックス・ブラザーズのオリジナル・デザインです。
そして何と言っても、ラルフ・ローレン氏もブルックス・ブラザーズのセールスとしてアパレル業界のキャリアをスタートさせたことは、有名なエピソードです。
青山通りに面したフラッグシップ・ショップに、大学生の時に初めて踏み入れた時は、とてもドキドキしたことを覚えています。
僕にフィットしたサイズも豊富にあるので、ブルックス・ブラザーズのボタンダウンやポロシャツ、パンツなどはいくつも持っています。
その中で、特にオススメなのが、パジャマとパック入りのコットンのTシャツです。当たり前のように最高級のコットンが使われており、その風合いは、化学繊維が入ったのものとは、まったく異なります。
オックスフォードの白いボタンダウンも持っているのですが、今回は、第1回目の収録ということもあり、またジャケットとのバランスも考え、少し光沢のある白のボタンダウンにしてみました。
4.「ブルックス・ブラザーズ」のチャコール・グレイのスラックス
パンツは、ストレッチの入った春夏用のチャコール・グレイのブルックスクール・プレーンフロント・トラウザーズのリージェント・フィットというモデルのものにしてみました。
僕はスポーツをするので、足の付け根とヒップが大きいので、スーツのスラックスには、基本的にプリーツを入れるのですが、このパンツは、座ってもストレスのない工夫がされているので、とても気に入っています。
5.「ブルックス・ブラザーズ」のグレイのソックス
『ブルックス・ブラザーズ』については、青山のフラッグシップ・ショップにもよく行くのですが、渋谷の西武百貨店や東急本店、新宿の伊勢丹のショップにもよく行きます。
ブルックス・ブラザーズ以外にも伊勢丹のメンズ館は、大きなサイズが揃っているので、とても頻繁に足を運びます。
この靴下も、伊勢丹のメンズ館の地下1階で購入しました。
黒の靴でグレイのスーツやスラックスに合わせる、グレイのソックスを選ぶときは、よく悩みます。基本的には、スボンと同じ色にするのですが、ズボンと靴の中間ぐらいの色にするのもいいと思っています。
そんなこんなを考えつつ、今回はこのソックスを選んでみました。
6.「伊勢丹」の黒いベルト
黒いベルトというのは、選ぶのにとても難しい商品だと思っています。
探せば、ピンからキリまであまりに選択肢が多いからです。1,000円位のものもあれば、ラグジュアリー・ブランドなどの物は、10万円位のものまであります。
皮の質感もバックルのデザインも千差満別と言えます。
定番アイテムとなると、誰もが使っている当たり前の物こそ、その人のセンスが最も問われる気がしています。
セレクトショップで見つけた4万円ぐらいのコードバンのベルトも欲しかったのですが、僕は敢えて、1万円の伊勢丹オリジナルのシンプルなこのベルトを選びました。
有名なブランドならば、2万円ぐらいするクオリティがあったからです。
7.「パラブーツ」の『アヴィニョン』
僕はサラリーマンではないので、毎日スーツを着て革靴を履いて、満員電車に乗る生活はしていません。
だからこそ、革靴には人一倍のこだわりを持っています。少し高くても丁寧に履くことで、10年間使える靴を選ぶことにしています。
「パラブーツ」は、銀行員のようなスクエアな仕事の方には、少々ヒップなデザインです。
一つ一つの独特なスタイルのモデルしかなく、パラブーツ緑のタグがなかったとしても一目でパラブーツだと分かる個性を持っています。
僕は3年前に、スーツにもカジュアルにも合う『アヴィニョン』を購入しました。丁寧に手入れをしてきたので、とても履きやすい状態になってきました。
靴好きの人は是非一度、青山の骨董通りの路面店に行ってみてください。パラブーツの魅力がきっとわかると思います。
8.「ゾフ」の黒縁メガネ
今回の番組では、ブルーバック(クロマキー)+CGによるセットというスタイルでの撮影のため、スーツもシャツもブルー系のものが一切着用できません。なので、衣裳選びにとても苦労しています。男物のスーツとシャツの多くは、ブルー系だからです。(今回の衣裳選びであらためて、ブルー系が多いと感じました。)
さらに、光やブルー・スクリーンが反射するのでメガネも光る部分があるものは、使用できないとのことでしたが、メガネというものは多くの場合金属やメタリックのパーツが使われています。
これまでは、「999.9」や「白山眼鏡」や「金子眼鏡店」などのメガネを使用していたのですが、僕の持っているものには、すべて金属部分があったので、撮影には、使用できませんでした。
なので原宿駅前の「ゾフ」と渋谷の「ジンズ」で、目立つ金属部分のないメガネを急遽、選んでみました。
ゾフとジンズもその日のうちに度付きのレンズも対応してくれることには、驚きました。
明治神宮に観光にきていた、アメリカ人の自称モデルの女の子もそのスピードに驚いていました。
9.エピローグ
日本では、オシャレを気取っている多くの人は、単にヘンなカッコウをしているだけだとよく言っています。
特に素足で革靴を履いている自称オシャレさんを見つけると、BigBrotherはいつもこう言います。“素足で革靴を履いていいのは、海外の高級リゾートにいるプレイボーイなイタリア人か年収1億円以上のアメリカ人のリッチマンと、それに日本人なら、石田純一だけだ"と。(イギリス人やフランス人の紳士は、そんなことは決してしないそうです。)
日本人は、雑誌の外国人モデルの真似をしているだけで、自分の汚い足首を顧みず、安物の靴をしかも手入れしないで履いています。
せめてアスリート並みの脚と7万円以上の手入れの行き届いた靴を手に入れてから、素足になってくれとも言っています。
ちなみに、最悪のコーディネートは、安物のジーンズ(もしくは、5万円以上する無意味に高いデニム)をロールアップし、素足に見えるような女性向けのような短い靴下を履き、ビジネススーツ用の薄汚れた先が尖った茶色の人工皮革+ゴムのソールの靴を履いている状態とのこと。
こういう人は大抵、パンパンに膨れたニセモノのブランド品の長財布をジーンズの後ろポケットに入れています。
ひょっとすると、財布とベルトホールが鎖で繫ってたりもします、とのこと。