1.プロローグ
クラブ・ミュージック(ダンス・ミュージック)に興味を持ち、DJを始めると、次は、DTMに関心を持つようになりました。DTMとは、よくある和製英語の1つでDeskTop Musicの略とされています。(DTP : DeskTop Publishingからの転用だと思われます)つまり、DTMとは、パソコンを使って作る音楽のことです。
DTMには、様々な方法やスタイルがあります。ここでは、僕の行なっている方法について説明していきます。
2.パソコンとソフト
●Mac Book Pro
●GarageBand (DAW)
●Logic Pro (DAW)
●Waves(プラグイン)
●SONICWIRE (音源)
今やDTMは、とてもハードルが低くMacを持っている人であれば、今日にでも始めることができます。僕も初めは、Mac Book Proに予め入っていた「ガレージバンド」というアプリからスタートしました。
ガレージバンドは、操作がとてもわかりやすく、音の加工もしやすいので、今でもベイスになる部分は、ガレージバンドで作っています。
ガレージバンドで作ったデータは、そのままプロ用のDAW(Digital Audio Workstation)ソフトの「ロジック・プロ」に移行できるので、細かい作業は、ロジックで行います。
ロジックは、初めから様々なプラグイン(DAWに追加できる加工用のソフト)が入っていますが、僕の場合は、ウェーブス社の「Gold Bundle」を追加しています。こうすることで、より多くの様々な音の変化を生み出すことができます。
音源(あらかじめ録音されている音の素材)については、「ソニック・ワイヤー」というサイトからダウンロード購入しています。
3.オーディオ・インターフェイス/ミキサー/スピーカー/ケーブル
●Apogee / Duet(オーディオ・インターフェイス)
●MACKIE / 1642 VLZ4(ミキサー)
●YAMAHA / HS8(パワード・モニター)
●SONY / MDR-7506 (ヘッドフォン)
●オヤイデ電気 / QAC-222 / XLR(ケーブル)
●オヤイデ電気 / d+ USB Class A rev.2(USBケーブル)
●FURMAN / SS-6B(電源タップ)
Mac Book Proとオーディオ・インターフェイス(デジタルとアナログを変換するハードウェア)の「アポジー」の『デュエット』とは、「オヤイデ電気」の『d+ USB Class A rev.2』というUSBケーブルで繋いでいます。このオーディオ・インターフェイスは、同社の上位機種『カルテット』と同じく、デジタルデータを柔らかくスムーズなアナログの音に変換してくれます。
USBケーブルについては、安物でも音質は変わらないという意見もありますが、僕は、中位の値段のオヤイデ電気のd+ USB Class A rev.2を使用しています。
アポジーのデュエットからは、オヤイデ電気の中位の『QAC-222 / XLR』を使用し、「マッキー」の『1642 VLZ4』というミキサーに繋いでいます。
マッキーは、とても丈夫なことと、太い音が出ることで知られており、野外のレイヴなどでもよく使用されています。
マッキーからは、オヤイデ電気のQAC-222 / XLRでパワード・モニターの「ヤマハ」の『HS8』に繋いでいます。
オヤイデ電気のケーブルは、どのレベルのケーブルも低音から高音まで癖なく、音をダイレクトに伝えてくれます。
ヤマハのパワード・スピーカーは、いまや伝説となった、モニター・スピーカー『NS-10』の流れをくんでいて、このHSというシリーズのパワード・モニターは、どの機種も音像の定位、解像度とも、申し分ありません。
HS8は、その中でも特に低音がしっかり出るので、四つ打ち系(ダンス・ミュージック)サウンドをモニタリングするのにとても適しています。
ヘッドフォンは、日本のスタジオでの標準機材の「ソニー」の『MDR-CD 900ST』(通称レッドライン)ではなく、海外のスタジオで多く使われているソニーの『MDR-7506』(通称ブルーライン)を使用しています。最近は2019年に発売された新定番の『MDR-M1ST』も頻繁に使うようになりました。
レッドラインは、ボーカルなどの中高域が聴きやすく、ブルーラインの方が低音がくっきり聴こえます。
キック(リズム)の音が重要なクラブミュージックには、ブルーラインの方が適していると思っています。
電源については、こだわると本当にキリがないので、僕は、「ファーマン」の『SS6B』をアース付きの普通の電源コンセントに接続して使用しています。
音響機材については、上を見ればキリがありません。
僕の場合は、最終的なトラック・ダウンとマスタリングは、スペシャリストに依頼するので、現在の音響システムには、とても満足しています。
このシステムは、DTMだけではなく、リスニング用やイベント用にも利用しています。
マッキーのミキサーのプリアンプ(ゲイン)は、とても力強いサウンドを生み出すので、CDプレイヤーもしくは、DJのミキサーからのインプットを少しゲインを上げることで、特に四つ打ち系のサウンドは、とても魅力的な音にグレードアップされます。
カフェなどであれば、このシステムでソコソコのDJパーティーを開くこともできます。
4.エピローグ
かつては、何十万円も何百万円もしたアウトボードが、DTMだと数万円でプラグイン・ソフトとして入手できることを知って、BigBrotherは、“トラックメーカーにとっては、夢のような時代なのに、いいサウンドを近頃は全然聞いていないな"といつも文句を言っています。
もちろんプラグインは、デジタル的なシミュレーションなので、ディテールについては、完全な再現ではないのですが、BigBrotherによると、それぞれのアウトボードの機種の特徴をよく表現しているとのこと。
“でもやっぱり、アナログの方が、いいよなあ"と言っています。
ですので、僕もDTMで作ったデータを最終的には、1回アナログの機材でマスタリングしてもらうようにしています。