1.プロローグ
今週のテーマは、#SpringBreak。広い意味では“春休み"ですが、アメリカでは、大学生がビーチやリゾート地などに、ドッと押し寄せてハメを外す1週間前後の期間を指します。日本の学生にとって春休みは、学年が終わり、春という“新しいスタート"に向けて準備を行う期間です。しかし、アメリカの学生にとって春休みは、学期の途中(2学期制の場合)あるいは2学期目と3学期目の間に落ちるため、あくまで夏休みや卒業までのラストスパートに入る前の束の間の息抜きという位置付けです。この時期ばかりは、パーティ・ピープルだけでなく、学業第一の優等生もスポーツ一筋のジョックやクイーン・ビーも我を忘れてはしゃぎます。
2.アメリカ人は一生懸命働いて、一生懸命遊ぶ
アメリカの大学生が学期中にもかかわらず、このようにして遊べるのは、そもそもアメリカ人は“work hard, play hard" (一生懸命働いて、一生懸命遊ぶ)という人生に対する考え方を持っているからです。遊ぶ時は思いっきり遊ばないと、仕事にちゃんと集中することはできないという考え方があり、オンとオフをはっきり分けたがります。言い換えれば、遊ぶべき時に遊んでいないとしたら、それはすなわち働くべき時に働いていないことの現れなのではないか、とすら考えます。アメリカの大学生はこうした意識が強く持っているため、学期中は学業を優先することを厭わず、スプリング・ブレイクは罪悪感なくはっちゃけるのです。
3.案外“テキトー"に過ごすアメリカの大学生
日本とアメリカの大学生活を比べる時、日本人はこう言います。「日本の大学は入ることは難しくて、出るのは簡単。アメリカの大学は入るのは、簡単だけど出ることが難しい。」確かに一般的な傾向としてはそうかもしれませんが、どこの国の大学であっても生活スタイルは十人十色であり、アメリカの大学生でも大学生活を“テキトー"に過ごせている学生はいくらでもいます。
例えば、超難関と言われる大学にも比較的“卒業しやすい"とされる専攻を選ぶことによって成績がトップクラスで卒業する学生もいれば(アメリカにおいて典型的な“卒業しやすい"専攻は、一昔前は、コミュニケーション学とされていました)、二流大学に入っても勤勉さが必要となる“難しい"専攻を選ぶ学生もいます。また、俗に“party school"と呼ばれる、大学生活を遊んで過ごしたい学生が通うことで悪名高い学校も各地にあります。そして日本の大学生は卒業するために“卒論"を書きますが、アメリカの場合は必修ではありません。専攻にもよりますが、むしろ優等生が自ら志願して書くものとなっています。
4.名門大学における不正入学事件について
そして先日、アメリカの名門大学における不正入学事件が発覚し、人気女優を含む33人の保護者が賄賂などの疑いで刑事訴追されました。この事件で浮き彫りになったように、アメリカでも仕方なく親に行かされていて、左団扇で過ごしている大学生もいます。一方で、いくらアメリカの大学は“入りやすい"と言えども、このような手口を使わないと入れないような学生もいるとも言えます。ただ、裏口入学など直接的な手段であっても、一流のプロの家庭教師を雇って合格するなど間接的な手段であっても、お金さえかければどこの大学にも事実上入学できるという意味では、日本の大学もアメリカの大学も同じくらい“入りやすい"といっても良いのではないでしょうか。
5.今週の衣裳について
白いカフリンクス
「麻布テーラー」の白いシャツ
ここしばらくは番組用の衣装をオーダーすることが多かったので、インタヴュー用のシャツを増やしたいと思い、注文しました。
白い生地にセミワイドの襟、厚さ4mmのボタンにダブルのカフスにしてみました。タックインしたシャツが座った時やかがんだ時に出ないように、丈も長めにお願いしました。
「麻布テーラー」全店で開催される年2回(1月と7月)の『パターンオーダーシャツフェア』では、パターン・オーダー・シャツ2枚が16,000円(税抜き)でオーダーできます。仕上がりまでに少し時間がかかりますが、お手頃な値段でとても良いクオリティーのものが作れますので、オススメです。
「KASHIYAMA the Smart Tailor」の黒いダブル・ブレスト・シャツ
この生地は、黒地に黒いストライプが施されており、レヴェル的には最近オーダーしていた海外の高級生地とローエスト・プライスのもののちょうど中間くらいでしたが、仕立てはとてもよく、値段以上の見栄えです。
今回は、今までのクラシック・スタイルとは少し違うスーツを作ってみたいと思い、フィット感は今流行りのスリム・フィットにしてみました。シルエットがスリムであるだけでなく、ジャケットの丈とズボンの丈が少しだけ短くなっていて、今時な仕上がりになっています。個人的な感想としては、今時なタイトなシルエットはスタイリッシュではあるのですが、高品質なスーツの本来の着心地の良さを少し犠牲にしているような印象を受けました。