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KAZOOの『SNS英語術』映画コーナー (4) 
 映画『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』の監督クリストファー・マッカリーと出演俳優ヘンリー・カヴィルへのインタヴューを振り返って
  - Eテレ『世界へ発信!SNS英語術』(2018/07/19放送) | CINEMA & THEATRE #008
Photo: ©RendezVous
2021/09/13 #008

KAZOOの『SNS英語術』映画コーナー (4)
映画『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』の監督クリストファー・マッカリーと出演俳優ヘンリー・カヴィルへのインタヴューを振り返って
- Eテレ『世界へ発信!SNS英語術』(2018/07/19放送)

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KAZOO
翻訳家 / 通訳 / TVコメンテイター

目次


1.プロローグ:楽屋オチ

この日も、今ではすっかりお馴染みのザ・リッツ・カールトン東京での記者会見とインタヴューでした。

以前『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』の時の記者会見にも出席しましたが、今回は“あのトム・クルーズ"が来日するということで、桁違いに出席者が多く、まるでこれから伝説のロック・バンドが登場するかのような雰囲気でした。(トム・クルーズは2012年に映画『ロック・オブ・エイジズ』で「ポイゾン」のブレット・マイケルズと「ガンズ・アンド・ローゼズ」のアクセル・ローズを足して2で割ったような演技を見せています。)

メイキングの映像をいくつか観せられた後、少しそわそわし始めた頃、これぞハリウッド・スターと言わんばかりの、とてつもないオーラを放ちながらトム・クルーズが、ステージ上に現れました。続いて、監督のクリストファー・マッカリー、俳優のサイモン・ペッグ、そして俳優のヘンリー・カヴィルが登場しました。僕もいつの間にか、鳥肌が立っていました。カリフォルニア出身でロサンゼルスの大学を卒業した僕が、日本において、このような形でハリウッド・スターを身近に見られるということは、とても不思議な感じがしました。

会見場にはMCもいらっしゃいましたが、トム・クルーズは自ら記者会見を主導し、その他3人の登壇者と共に、様々な舞台裏の話や映画の見所を熱く、時には冗談を交えながら話してくれました。僕の隣に座っていた番組のプロデューサーは、「このトーク・イヴェントをこのまま30分流してもいいくらいだな」と言うほど、4人の息がよく合っていて、面白い内容の記者会見となりました。

登壇者4名の後ろには通訳の方も付いており、通訳の仕事の経験のある僕としては、この点もとても興味深く観ることができました。俳優や監督が喋り終わってから改めて日本語に訳す通訳もいれば、同時通訳に近いタイミングで通訳をする方もいました。自分の存在感をなるべく消して、話している本人を際立たせる通訳もいれば、俳優に負けないくらいのオーラを放っている通訳もいました。緊張していたのか、一人の通訳が自分の担当ではない人の分まで通訳してしまうハプニングや、俳優が語ったキーワードをそのまま、カタカナ語として通訳する場面も何度かありました。かと言って、僕が同じ状況下で、彼女らよりもうまく訳せたかと言いますと、全く自信がありません。

僕が普段からやっている“翻訳"の仕事では、自分で何度も読み返すことができますし、エディターにも校正してもらった上で、クライアントに提出することとなルノで“推敲"することが可能です。一方で、“通訳"の場合は、現場での一発勝負となります。しかもその通訳の言葉がメディアを通して、世の中に拡散されてしまいます。場合によっては、国家の運命を左右することもあるので、考えてみるととても恐ろしい責任が伴う仕事です。実際、後日、記者会見について書かれたある媒体の記事を読んでいたところ、通訳が誤訳したことが、そのまま書き起こされた内容になっていました。

通訳のあり方についての議論は、今回は割愛しますが、『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』の記者会見は、映画本編に負けないくらい、ハラハラドキドキなドラマであったことは間違いありません。

オススメのトム・クルーズの出演作

オススメのサイモン・ペッグの出演作


2.『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』は究極のエンタメである

『ミッション・インポッシブル/フォールアウト』は、シリーズの6作目になりますが、映画としての完成度は、回を重ねる毎に高くなっており、内容もどんどん面白くなっています。映画歴史においても、“007シリーズ"と匹敵するシリーズと言っても過言ではありません。

その中でも、一番の見所はやはり、文字通り体を張った演技をしたトム・クルーズでしょう。映画序盤のキー・シーンである“HALOジャンプ"(高高度降下低高度開傘)を撮影するために、スタントマンを使わずに、トム・クルーズ本人が実際に上空約8,000 mから106回もダイヴしたそうです。また、ロンドンを舞台にしたチェース・シーンでは、ビルからビルへと飛び移る際に足首を骨折してしまいました。しかし、こうした事故さえも、結果的には、どんな広告よりもプロモーション効果があったように思えます。こうなると、次回作では、本当にトム・クルーズ本人が、宇宙空間にまで行くことになるではないでしょうか。

一方で、こんなトム・クルーズの存在というものが、映画業界にとって“良いのか悪いのか"、という議論があります。スタントがリアル過ぎて、逆に“CGに間違いない"と思わせてしまっていることを考えると、そもそもCGでも良かったのではないかと言う声や、俳優もスタントマンのように身体を危険にさらす覚悟でいないといけない、という無言の圧力が俳優に対してかかるのではないかという懸念もあります。

しかし、一歩引いて映画業界全体のトレンドを冷静に見渡すと、これらは根拠のない心配であることがわかります。1人の大物俳優のネイムヴァリューだけで作品を大当たりさせる時代は、既に終わっています。トム・クルーズは、そんなかつての時代の“最後の大物俳優"と言ってもいいのではないでしょうか。彼の存在は、これからの先例ではなく、そもそもが例外的な存在なのです。

そして、一生かけても使い切れないほどの富と名声を得た大スターが、映画ファンの娯楽のためにCGではなく、自らの命をわざわざ危険にさらして“くれている"からこそ、『ミッション:インポッシブル』シリーズは究極のエンタメとなっているのです。


3.「アクアスキュータム」のパープル・ドレス・シャツ

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今までは、主に渋谷・原宿・新宿エリアのテーラーでスーツやシャツを注文してきましたが、この日着たシャツは憧れの新宿伊勢丹でオーダーしたもの です。5月にオーダー・シャツのセールが開催された際に作りました。

会場には(仕立て込みで)定価が¥15000くらいの生地が多く並んでいましたが、初めてデパートでオーダーするせっかくの機会だったので、ワンランク上の「アクアスキュータム」の定価¥20000の生地を選びました。(セールだったので実際には1枚¥15000でした。)

アクアスキュータムとは、イギリスの老舗の高級衣類メーカーで、以前は王室御用達のブランドとして承認されていました。マーガレット・サッチャーからの評価が特に高かったようです。

出来上がったシャツは、フィットも肌触りも、今まで作ったシャツの中ではダントツの1位と言っていいほど優れています。

唯一のデメリットとしては、生地が繊細なので、手洗いで洗濯する必要があることです。(クリーニング店に出す時にも、手洗いのコースで出した方が良いです。)


4.「ラルフ・ローレン」のネクタイ

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こちらはBigBrotherから頂いた、ヴィンテージもののやや細めのネクタイです。ちょうどいいツヤ感と柔らかさで、びっくりするくらい締めやすくなっています。


5.「タビオ」のパープル色のソックス

紫系のシャツと合わせる形で「タビオ」のパープル色の「メンズ スーピマ3×1リブソックス」(税込972円)を履きました。以前同じシリーズのピンクとシルヴァーのものも履いたことがあります。


6.「ユニバーサル・ランゲージ」のバーズアイ・スーツ

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この商品は、以前紹介したのでLANGUAGE & EDUCATION #005を参照してください。


7.「パラブーツ」のダブル・モンク・シューズ『ポー』

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この商品は、以前紹介したのでFASHION & SHOPPING #008を参照してください。


8.「999.9」の『M-27』

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この商品は、以前紹介したのでCINEMA & THEATRE #006を参照してください。


9.エピローグ:クリストファー・マッカリーとヘンリー・カヴィルのインタヴューを経て

トム・クルーズは、『ミッション:インポッシブル』シリーズの出演者であるだけでなく、プロデューサーの仕事も行なっており、これまでも毎回違う監督を指名してきました。その結果、ブライアン・デ・パルマによる小規模なスリラー、ジョン・ウーによる大袈裟なガン・アクション、J・J・エイブラムスによる感情に訴えかけるスパイ・ドラマ、ブラッド・バードの壮大なスケールによるアドヴェンチャーなど、様々なテイストの映画が製作されることとなりました。

今回はシリーズとして初めて、前作の『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネーション』と同じクリストファー・マッカリー監督が抜擢されました。実はマッカリー監督は2008年の『ワルキューレ』をきっかけに、トム・クルーズとここ10年間、数々の作品でタッグを組んできているので、現在トム・クルーズが最も信頼を寄せている監督なのかもしれません。

マッカリー監督は、そもそも1995年の『ユージュアル・サスペクツ』の脚本を手がけ、アカデミー脚本賞を受賞したことで一躍有名になりました。今作の製作秘話を聞く限り、前作とは異なるスタイルの映画にするために、様々な工夫をしたそうです。驚くことに、脚本が完成されていないまま、製作に取り掛かったということです。更に、通常は脚本を前提として、撮影を行うロケイション・ハンティングを行うのに対して、今作では、ロケイションが先にあって、その場所にあった形で脚本を書き上げるという方法をとったそうです。このようなアプローチでありながら、映画としてまとまりがあるのは、監督の中にブレないヴィジョンがあるからだと、僕は思います。数々あるアクション・シーンも、単なる“魅せるためのアクション"ではなく、ストーリーを展開させるためのアクションになっている点がとても見事です。

さて、この日は加藤さんが、初の英語でのインタヴューに挑戦した日でもありました。普段のスタジオ収録では、全く緊張している様子が伺えない加藤さんが、今回ばかりは英語の発音がとても心配だったようで、インタヴュー直前まで質問の聞き方を何度も確認し、練習されていました。

『ミッション・インポッシブル/フォールアウト』では、ぶっきら棒なCIAエイジェントを演じるヘンリー・カヴィルですが、実際にお会いしてみると本人は、絵に描いたような立派なイギリス紳士でした。僕が加藤さんを紹介し、番組の内容と初めての英語でのインタヴューであることを説明すると、ニコニコしながら頷いてくれました。初の連続ドラマのレギュラーとして、仕事を終えたばかりだった女優としての加藤さんに「おめでとう」と気の利く一言をかけてくれました。加藤さんの質問にも1つ1つ真剣に答えてくれ、インタヴューを終えた加藤さんは、満面の笑みでした。

僕はと言えば、ヘンリー・カヴィルの鍛え上げられた肉体(彼は“スーパーマン"、これもアメリカのスーパー・ヒーローを演じています)と、イギリス訛りの英語を、ひたすらうらやましいと思うばかりでした。

オススメのクリストファー・マッカリーの作品

オススメのヘンリー・カヴィルの出演作


CINEMA & THEATRE #008

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