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KAZOOの『SNS英語術』映画コーナー (6) 
 映画『グリーン・ブック』の監督、ピーター・ファレリーへのインタヴューを振り返って
  - Eテレ『世界へ発信!SNS英語術』(2019/03/14放送) | CINEMA & THEATRE #010
Photo: ©RendezVous
2021/11/15 #010

KAZOOの『SNS英語術』映画コーナー (6)
映画『グリーン・ブック』の監督、ピーター・ファレリーへのインタヴューを振り返って
- Eテレ『世界へ発信!SNS英語術』(2019/03/14放送)

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KAZOO
翻訳家 / 通訳 / TVコメンテイター

目次


1.ピーター・ファレリーについて

ピーター・ファレリーは、アメリカの映画監督・脚本家・プロデューサーです。弟のボビーと共に、“ファレリー兄弟"として、90年代の半ばから数々のコメディを監督・脚本・製作してきました。ドタバタ劇や下ネタなどで知られる一方で、度々障害者を起用し、彼らを特別扱いするのではなく普通の人間として描写していることなど、ヒューマン・タッチも高く評価されています。2018年に単独で監督を務めた『グリーン・ブック』がアカデミー賞作品賞を受賞しました。

ピーター・ファレリーの代表的な作品

『ジム・キャリーはMr.ダマー』 (1994年)
コメディ俳優のジム・キャリーが演じる主人公ハリーがある女性に一目惚れし、親友のロイド(ジェフ・ダニエルズ)と共に、その女性の後を追うロード・ムービーです。その道中で、お騒がせな2人は、様々なおバカなギャグを通して周囲の人に迷惑をかけます。本作でファレリー兄弟はブレークを果たし、一方ジム・キャリーもコメディ映画の王様となりました。

『メリーに首ったけ』 (1998年)
キャメロン・ディアスが演じる美人メリーに、夢中になる男どもが巻き起こす争奪戦を描いた本作は、90年代を代表するラヴ・コメです。お下劣なギャグが満載でありながら、人間味の溢れる秀作です。


2.物議を醸している『グリーン・ブック』の評判について

黒人のピアニストが、アメリカの南部をツアーする際に、ドライバー兼ボディガードとしてイタリア系アメリカ人のバウンサーを雇った実話に基づいたヒューマン・ドラマです。“グリーン・ブック"とは、20世紀半ばに実際に発行されていた、アフリカ系アメリカ人を受け入れるモーテルやレストランが記載されたトラヴェル・ガイドのことです。本作は2019年のアカデミー賞作品賞と脚本賞を受賞しました。

教養のないイタリア系アメリカ人のトニー・バレロンガは、黒人に対しては差別意識を持っているのですが、妻と家族を愛してやまない、アメリカ的な陽気で“根っこはイイやつ"なのです。一方、英才教育を受けた黒人ピアニストのドン・シャーリーは、黒人からも白人からも敬遠され、心の拠り所がないまま毎日を生きています。トニーは、ドンのドライバーとしてアメリカ南部を巡り、様々な人種差別を目の当たりにするうちに、徐々にドンの葛藤を理解し、2人の絆は育まれていきます。本作のメッセージは、人は話し合えば分かり合える、逆に話し合わなければいつまでたっても人種の溝は埋まらない、ということです。このメッセージが映画作品として見事に描かれており、心が打たれるものがあります。

一方で、本作は人種和解のファンタジーに過ぎないと批判する評論家や鑑賞者も少なくないのも事実です。見方を変えれば、教養のないトニーが自身の差別意識と向き合うどころが、むしろ教養のあるドンに黒人文化や“黒人らしさ"を逆に教える展開となっているとも言えます。彼らの訴えは、『グリーン・ブック』は黒人の自己実現を描いた物語ではなく、黒人が白人に救われる物語である、ということです。また、本作は人種差別問題を単純化し過ぎている、という指摘もあります。確かに多くのこの種の映画では、アメリカで今も根深く残る陰険な人種差別意識とは正面からは向き合わず、“わかりやすい" “あからさまな"人種差別の部分だけを取り上げ、それが丸く解決されるというのがお決まりの結末を迎えます。

アメリカにおいては、この“人種問題"についての議論はとても重要で、こうした議論を引き起こしたという意味でも『グリーン・ブック』は評価すべき作品ではないでしょうか。一方で日本人が本作とどう向き合うべきかは、とても複雑な問題だと思います。多くの人は単純に20世紀のアメリカを舞台にした心温まる“人間ドラマ"(そしてアカデミー賞作品賞受賞作)を観た気分で映画館を去ることでしょう。僕の願いとしては、本作が刺激となって、より深刻なトーンで人種問題をテーマにした他の作品を観るきっかけになって欲しいものです。また、本作が持つ普遍的なメッセージを噛みしめると同時に、それが現在のアメリカ社会について何を物語っているかを考えるきっかけになって欲しいです。


3.「エンポリオ・アルマーニ」のネクタイ

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こちらはBigBrotherから借りた「エンポリオ・アルマーニ」のネクタイです。グレイのヘリンボーン柄には上質な光沢感があり、ちょうど良い厚みが胸元に立体感を出してくれます。


4.「麻布テーラー」のポケットチーフ

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こちらは麻布テーラーの『C表参道店』で購入した白いポケットチーフです。

ポケットチーフとは、スーツの胸ポケットに挿す布のことです。胸元をより華やかに演出してくれるこのアイテムは、本来結婚式やパーティーなど、お祝いの場にふさわしいスタイルです。ビジネスシーンでもプレゼンテイションの時などに使用すると、ワンランク・アップした装いになります。

しかし、最近では、ポケットチーフさえしていればオシャレになれると思っている男性が多いようで、ネクタイの効果を殺すような派手な柄のものを、さらに目立つような折り方をしている方をよく見かけます。しかし、ポイントはネクタイとのバランスと、折り方です。

僕は今回初めてポケットチーフに挑戦したため、万能の白いものを、一番基本的な“プレジデンシャル・フォールド"にしてみました。今回の衣装のキー・アイテムはネクタイということもあり、ポケットチーフが主張しすぎないように注意しました。


5.「グローバル・スタイル」のネイヴィー・スーツ

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この商品は、以前紹介したのでCINEMA & THEATRE #005を参照してください。


6.「麻布テーラー」の白とブルーのチェックのボタン・ダウン

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この商品は、以前紹介したのでCINEMA & THEATRE #005を参照してください。


7.「イセタンメンズ」の黒いソックス

この商品は、以前紹介したのでCINEMA & THEATRE #005を参照してください。


8.「リーガル」のウィング・チップ・シューズ

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この商品は、以前紹介したのでFASHION & SHOPPING #009を参照してください。


9.「アルバート・サーストン」のサスペンダー

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こちらは『シップス渋谷店』で購入したイギリスのサスペンダー・メイカー「アルバート・サーストン」のサスペンダーです。クリップ留めとボタン留め両方が可能な2ウェイ・タイプになっており、基本的にサスペンダー用のボタンが施されていないズボンを履くときに使っているものです。ベルトは3cmで比較的細めですが、肩の負担も少なく、とても重宝しています。


10.「999.9」の『M-27』

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この商品は、以前紹介したのでCINEMA & THEATRE #005を参照してください。


CINEMA & THEATRE #010

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