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KAZOOの『SNS英語術』映画コーナー (8) 
 映画『ダンボ』の主演男優、コリン・ファレルへのインタヴューを振り返って
  - Eテレ『世界へ発信!SNS英語術』(2019/04/05放送) | CINEMA & THEATRE #012
Photo: ©RendezVous
2021/12/13 #012

KAZOOの『SNS英語術』映画コーナー (8)
映画『ダンボ』の主演男優、コリン・ファレルへのインタヴューを振り返って
- Eテレ『世界へ発信!SNS英語術』(2019/04/05放送)

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KAZOO
翻訳家 / 通訳 / TVコメンテイター

目次


1.プロローグ:インタヴューを終えて

Eテレ『世界へ発信!SNS英語術』では、これまで、数々のハリウッド・スターや監督にインタヴューさせていただきました。インタヴューの会場には、いつも緊張なのか興奮なのか、あるいはワクワク感なのか、非日常的な空気が漂っています。そんな中で、僕がなんとか平常心を保っていられているのは、スタイリストのScarletと入念に決めた衣裳を着ているからです。衣裳を選ぶ際に気をつけていることは、当然、インタヴューする相手(インタヴュイー)に対するリスペクトを表すことです。加えて、“その場にいても違和感のない"自分を演じることのできる衣裳を選ぶことにしています。

今回は、あのコリン・ファレルということで、いつも以上に緊張していました。というのも、そもそもアイルランド出身の男性というのは喧嘩に強いというイメージもあり、中でも一見コワモテなファレルさんは、ハリウッドの“バッド・ボーイ"として知られているからです。

しかし、初めに握手した時に、とてもフレンドリーな印象を受け、僕の緊張は一気にほぐれました。番組の簡単な説明を終えると、ファレルさんは「いいスーツだね。とてもシャープ。」と褒めてくれました。男性が男性の服装について褒めるということは滅多にないことである上に、ハリウッドの大物俳優、しかも2003年の「ピープル」誌が選ぶ『最も美しい男50人』に選ばれた1人に服を褒められたことは、まったく予想外のことでとてもびっくりすると同時に、素直に嬉しく思いました。

インタヴューの最後にファレルさんにお好きな英語表現やモットーについて尋ねると、“Fortune favours the bold"という素晴らしいアフォリズム(格言)を挙げてくれました。「幸運は勇者の味方をする」という意味です。僕もこの先、番組でもインタヴューでも、衣装に関しても、“keep being bold" (勇敢であり続けたい)と決心しました。きっと男が男を認めるということは、そういう意気込みが鍵となっているのでしょう。


2.コリン・ファレルの代表的な作品

『マイアミ・バイス』(2006年)
クライム映画で知られるマイケル・マン監督による、80年代の大ヒット刑事ドラマ『特捜刑事マイアミ・バイス』の映画版です。本作は商業的にはあまり成功せず、映画評論家の間でも評価は微妙なものでした。しかし、ファレルの演技はとても素晴らしいものです。ムーディーで抽象的なヴィジュアルは、陽の降り注ぐイメージのマイアミの"もう1つの側面"を見事に描いています。

『ヒットマンズ・レクイエム』(2008年)
ファレルが演じる新米の殺し屋が初仕事を終えてひどく落ち込み、先輩の殺し屋と一緒にベルギー北西部のブルージュで2週間滞在する様子を描いたブラック・コメディです。本作は中世の面影が残るヨーロッパの都市の美しさと、殺し屋の“美学"をテーマにした哀愁物語です。

『ロブスター』(2015年)
「独身の人は、45日以内に配偶者となる人を見つけないと動物に姿を変えられてしまう」という社会を描いた不条理なブラック・コメディです。ファレルは妻に捨てられたばかりの男を演じ、様々な手口を用いて適切なパートナーを探そうとします。社会の秩序や掟をテーマにした風刺映画です。

『ダンボ』(2019年)
第一次世界大戦後のアメリカを舞台に、かつて一流として知られていた『メディチ・ブラザーズ・サーカス』の団長が、自身のサーカスの将来を、新たに生まれてくる予定の子象にかけるというところからストーリーは展開します。しかし、その象は異常に大きな耳を持って生まれ、観客に“ダンボ"と名付けられてしまいます。ファレルは、その子象の世話役を担当する、サーカスのかつての花形スターを演じます。


3.「麻布テーラー」のブルーのクレリック・シャツ

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こちらは1月にパターン・オーダー・シャツ2枚が16,000円(税抜き)でオーダーできる「麻布テーラー」の『パターンオーダーシャツフェア』でオーダーした2枚のうちの1枚です。淡い青色の生地に白いセミワイドのカラーとダブル・カフスの“クレリック"シャツにしました。前立て(フロント・ボタン部分に付けられる帯状のパーツのことです)ありで、ボタンは厚さ4mmにしました。


4.「ラルフローレン」の黒いネクタイ

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こちらの「ラルフローレン」のネクタイはBigBrotherから借りたヴィンテイジ・モノです。微妙な艶の違いで作り出された黒のチェック柄の生地に、白い六角形の柄が施されています。


5.「MFYS」の正方形ウッド・カフス

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こちらはアマゾンのカフリンクス専門店「MFYS」から購入したものです(510円+送料)。優しいウッド調のデザインなので、ビシッと決めたダブル・ブレストのスーツと対比すると言う意味で今回着用しました。


6.「ユニバーサル・ランゲージ」のグレイのダブル・ブレストのスーツ

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この商品は、以前紹介したのでFASHION & SHOPPING #010を参照してください。


7.「ブルックス・ブラザーズ」のグレイのソックス

この商品は、以前紹介したのでFASHION & SHOPPING #008を参照してください。


8.「パラブーツ」のダブル・モンク・シューズ『ポー』

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この商品は、以前紹介したのでFASHION & SHOPPING #008を参照してください。


9.「999.9」の『M-27』

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この商品は、以前紹介したのでCINEMA & THEATRE #005を参照してください。


10.エピローグ:スタイリスト・Scarlet によるコウディニットのポイント

アイルランド出身のコリン・ファレルさんへのインタヴューということで、英国の貴族をイメージしたコウディニットにしてみました。

スーツは、チャールズ皇太子もよく着る、グレイのダブル・ブレストにしました。春なので、ライトグレイに白いチェックのものにしました。

シャツも英国紳士が好む、ブルーに白のクレリック+ダブルカフスというスタイルを選びました。

ネクタイは、ヴィンテイジの「ラルフ・ローレン」の細めのものを選びました。ダブル・ブレストだとVゾーンが狭くなるので、細めのネクタイの方がスッキリと見えるからです。

靴も英国のジェントルマンの象徴とも言えるダブル・モンクにしました。グレイのスーツなので、渋いブラウンのものです。

そして、今回の最大のコウディニットのポイントは、パンツと同じ色合いのグレイのソックスにしたことです。

日本では、靴の色にソックスを合わせることが基本になっていますが、英国では、パンツの色に合わせることが上品であるとみなされています。

2018年度のインタヴューの時にも、インタヴュイーから何度か、KAZOOの衣裳を褒めていただいたことがあるのですが、今回は、インタヴューの冒頭の部分で、コリン・ファレルさんからのお褒めの言葉をオンエアして下さりました。ありがとうございました。

1年間頑張ってきたことが認められたようで、スタイリストとして、とても感動しております。


CINEMA & THEATRE #012

映画『ダンボ』の主演男優、コリン・ファレルへのインタヴューを振り返って - Eテレ『世界へ発信!SNS英語術』(2019/04/05放送)


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